リレーコラム

リレーコラム

グリーフについて(2)


前回は「グリーフとは何か?」についてお話ししましたが、今回は実際に「喪失」を体験し「グリーフ」の状態にある人に多くみられる様々な影響についてお話ししたいと思います。

「喪失」による強いストレス下にある人(=「グリーフ」状況下にある人)においては、様々な影響が非常に表れやすくなりますが、代表的なものとしては身体的影響、感情的影響、社会的影響およびスピリチュアル的影響が挙げられます。

身体的影響でよくみられるのが、強い疲労感や頭・体の痛み、めまい・ふらつき、睡眠障害などですが、その他にも多種多様な身体的影響が表れます。免疫力が低下し、長期間、体調を崩してしまう方もいらっしゃいます。

感情的影響としては、深い悲しみからもたらされる怒りや絶望感、罪悪感が表れやすくなるほか、無気力になってしまったり感情の起伏が激しくなってしまうこともあります。

社会的影響としては、周囲との関係性や立場・役割などの変化があげられます。場合によっては孤独感や社会からの疎外感を強めてしまうこともあります。

スピリチュアル的影響としては、信仰心・宗教観や人生の意味・意義の変化が挙げられます。それまで抱いていた宗教や神の存在などの価値観が変化してしまい、信仰に疑問を感じたり、逆に宗教や信仰に傾倒しのめりこんでしまうことがあります。人生の意味や意義(生きることの価値や目的)が変化したり、感じられなくなることもあります。

「グリーフ」による影響の表れかたには個人差がありますが、上記の4つの影響などは、「ご遺族の周囲にいる支えとなる人」にとって「ご遺族がグリーフであることのサイン」(=「ご遺族の状態に気付くためのポイント」)となることを覚えておいていただければ良いのではないかと思います。

 

シオタニ株式会社
グリーフサポートラボ認定グリーフサポートバディ
川本 直