グリーフについて(1)
皆さんは「グリーフ」という言葉を聞いたことがありますか?
最近はこの「グリーフ」や「グリーフケア」、「グリーフサポート」といった言葉が徐々に認知されつつあるのですが、知らない方もまだまだ多くいらっしゃるようです。
この「グリーフ」という言葉を日本語に訳すと、人の死など大切なものの「喪失」により「深く悲しみ嘆くこと」となります。
人生における大きな「喪失」には、
- 大切な人との死別や離婚(離別)
- 心身の健康を失う事
- 社会的な役割(立場)を失う事
- 個人的所有物(家・思い出の品)を失う事
などがあげられますが、「大切な人や物を失った後に一定期間続く様々な心と体の反応が閉じ込められた状態」のことを「グリーフの状態」と言います。
本来、人は何か出来事が起こった時には自分の内側から湧き上がってくる様々な「感情・思い・考え」を自然に自分らしく表現し、また周囲の人たちと話すことで共有出来ています。(「グリーフ」に対してこの状態を「モーニング(悲哀)の状態」と言います。)
しかし、「喪失」による精神的な影響に加え、暗黙のルール、社会通念、先入観、習慣などにより、自分らしい表現が出来なくなってしまう場合も多々あります。
「グリーフ」の状態にある人が、自分の内側から湧き上がってくる様々な「感情・思い・考え」を再び自分らしく表現出来るようになるためには、「周囲の人達のあたたかい支え」=「グリーフケア」、「グリーフサポート」が必要となります。
時には「治療」や「薬の処方」、「カウンセリング」が必要になる場合もありますが、「出来る限り同じ目線で接し、そばで寄り添い、その人の思いを受け止め、支えとなる人の存在」が何よりも大切であると私たちは考えます。
シオタニ株式会社
グリーフサポートラボ認定グリーフサポートバディ
川本 直