リレーコラム

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グリーフについて(3)


前々回は「グリーフとは何か?」について、前回は「グリーフ状態にある人に多くみられる様々な影響」についてお話しさせていただきました。

「グリーフ」状態にある人が、様々な影響やその他の要因によって、周囲に対してその思いや感情を上手く表現、共有することが出来なくなること、再び自分らしい表現が出来るようになるには、「周囲の人達のあたたかい支え」=「グリーフサポート」が必要となることはこれまでにお話しした通りです。

今回は「悲しみと折り合いをつけるために必要となる6つの段階」についてお話ししたいと思います。

「大切な人の死」はご遺族の人生をとめどなく変えていきます。またその変化には決まった形や道のりがあるわけではなく、長く、苦しみや痛みを伴ったものです。人は「死別」や「グリーフ」を避けて通ることは出来ませんが、これからお話しする「6つの段階」を理解することは、ご遺族のことを理解し、寄り添い、支え、共にグリーフと向き合うための助けとなると思います。

 

 

≪第1段階≫死別が現実であることを認める
ゆっくりと必要な時間をかけて死別の現実を受け入れ、悲しみと向き合うことが必要になります。
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≪第2段階≫亡くなった人との思い出を大切にする
思い出を持つことにより過去を受け入れて未来の可能性に望みを抱けるようになります。思い出を無視したり抑え込むことは潜在的に悲しみや怒りといった感情を抱え続けるきっかけとなる場合もあります。
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≪第3段階≫周りの人からの思いやりのある継続したサポートを受け入れる
サポートする側は死別がもたらす衝撃の大きさを理解したうえで、ご遺族にとって安全で安心な場所を継続的に提供する必要があります。
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≪第4段階≫死別によりもたらされた心の痛みをきちんと把握する
ご遺族が痛みに向き合いありのままを受容することが出来るように、支える側が寄り添い、共感することが重要となります。もし痛みが大きすぎる場合には痛みを小分けしたり痛みから一時的に遠ざけてあげることも重要です。
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≪第5段階≫生きる意味や生きがいを探す
ご遺族が人生観や価値観に大きな影響を受けることで、夢や目的などを見失ってしまうことがあります。宗教や信仰、生活習慣を見直すことなどから人生の意味の探索が始まることも多くあります。
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≪第6段階≫死別後の自分の個性や自分らしさを作り上げる
自分自身や社会が与える役割や地位、肩書などが変化する過程を受け容れることで、新しい自分の発見に向かうことが出来るようになります。

 

以上、「悲しみと折り合いをつけるための6つの段階」についてお話ししましたが、必ずしも全ての人がこれらの6つの段階を順序通りに体験するわけではありません。ですが、グリーフ状態にある人が大きな苦痛や喪失感に立ち向かい、自らの力で新たな人生を歩み始めるようになるまで、どのようにサポートしたらよいか、グリーフ状態に変化を起こすためのヒントとして参考になさっていただければと思います。

 

シオタニ株式会社
グリーフサポートラボ認定グリーフサポートバディ
川本 直