今日という1日の意味
終活を考えることによって今の生活への感謝が見えてくることがございます。
それが終活の良さでもあります。
その一つに今を大切に生きることを感じることもございます。
終活や様々な相談を通じてそのような価値観に触れられることを
モットーに仕事ができると楽しいですね。
今回は私(鳥越介順)のオリジナル作品をお読みいただき
ちょっと心が温かくなっていただければ幸いです。
水色の天使
「今日という一日」
あるところに一人娘(7歳)を亡くした夫婦がいました。
子どもを亡くしてから一年経ったころ「娘にもう一度会いたい」と嘆いていました。
ある日、水色の天使がその夫婦の前に突然現れて言いました。
「今、あなたの持っているすべての財産と引き換えであれば、亡くなったお嬢さんと一緒に過ごせる日を一日だけプレゼントできますが、どうしますか?」
その夫婦は迷うことなくOKしました。
そして水色の天使が続けて言いました。
「しかしルールがあります。あなた方はその日が終わるまで、今この約束
したことやお嬢さんと死別することの記憶は消してしまいます。まるで過去に
戻った一日を自然に過ごす感覚ですよ、それでもいいのですか?」
その夫婦はお互いに顔を見合わせてゆっくりとした口調で
「分かりました。」と返事しました。
そしてパッと光が・・・あっ!まぶしい・・・
次の瞬間、いつも通りの朝になっていました。
そうです、娘が生きていた時の何気ない一日の始まりでした。
朝から「早く起きなさーい!!」妻の大きな声。
パジャマ姿で機嫌悪そうに起きてきた髪の毛のボサボサな娘。
眠たい目をこすりながら新聞を読む夫。
貴重な貴重な一日が始まりました。
そうなんです。
私たちが生きている今日は、
いつか未来に水色の天使に全財産と引き換えにいただいた
今日かもしれません。
作:鳥越介順