もっと知りたい「家族葬」〈下〉
■家族葬の「イメージ」と実際
家族葬の一般的なイメージは①安価なイメージ、②容易なイメージ、③自由なイメージ、④温かいイメージ、ではないでしょうか。
実際はどうなのか、ひとつずつ検証したいと思います。
- 安価なイメージ→△
葬儀費用を会葬者の人数によって変わると変動費と、変わらない固定費に分けてみた場合、主な変動費は返礼品代(香典返し)とお料理代です。逆に言うと、他はそれほど変わりません。
ですので、固定費である祭壇セットの価格次第といえるでしょう。
また費用面でのポイントは、「お香典」という「収入」です。会葬者の人数を絞った場合は持ち出し分が増える場合が多いです。 - 容易なイメージ→△
身内だけで行う葬儀は他人に気を使うことなくできるので、一般葬と比較すると容易に行えます。
ただし気をつけたいのは葬儀後です。
後から知った方々が次々に自宅に弔問に訪れその対応に追われたり、また後から届くお香典へ個別に対応していかなければなりません。
そういった点から、当日一気に対応し、返礼品をお渡ししたほうが楽ということも考えられます。 - 自由なイメージ→○
他人の目を気にすることなく、自由な形式のお葬式ができます。
金沢では古くからの慣習を大事にされている方が多いので、親戚の方に相談してからのほうが無難ではありますが、場所、設え、式の流れ等、自由な発想でお葬式が可能です。 - 温かいイメージ→○
親しい人だけで集い、在りし日を偲んで思い出話をする、大変温かいお葬式になると思います。
まとめると、安価で容易とは言いがたいが、自由で温かいお葬式にできるのが「家族葬」といえるでしょう。
■最後に
あなたの知っている故人は、故人の一部でしかありません。
家族で過ごした時間は人生のほんの一部です。職場では?学生時代は?等、故人の思い出を会葬者から聞ける最後のチャンスがお葬式であることを忘れずに。
故人が紡いできた「つながり」を一度断ち切ると再び紡ぐことは難しいこともふまえて、お声かけする範囲をお考えください。
お葬式は1度きり。「あの時…」と後悔しないよう、よく考えて心をこめて送りましょう。
シオタニ株式会社
取締役 塩谷知子